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5-4-3. ウェブアクセシビリティが市町村ウェブサイトに反映されない理由一方、市町村が回答したウェブアクセシビリティが市町村ウェブサイトに反映されない主な理由を次に示す。(4) 人手及び作業時間の不足(13件) (a) 担当者が業務多忙のため、ホームページの充実まで手が回らない。(同意見 他8件) (b) 改善にはサイトの大幅なスタイル変更が必要であり、それだけの労力を割いている時間がない。(同意見 他4件) (c) ウェブアクセシビリティに配慮したページ作成のための技術指針を作成し、それに基づき各部署の担当者向けの研修を行ってきているが、一度に全コンテンツを更新することは困難であるため、今後更新時に配慮していくよう依頼している。 (5) 技術的知識の不足(13件) (a) 技術的な面での対応ができる職員がいない。 (b) ウェブサイトの作成は基本的にはそれぞれの部署の担当者が行っており、まずは担当職員のアクセシビリティに対する意識の向上と具体的な作成方法の習得機会が必要と考えている。できるところから取り組みたい。 (c) 実現するノウハウが無いこと。 その他同意見 他10件) (6) 経費の不足(8件) (a) 予算的に難しい(業者委託するには経費が掛かり過ぎる)。また、職員が作成するには難しすぎる。 (b) 反映するにはリニューアルが必要だが、経費的な面で難しいのが実情。 その他同意見 他6件 (7) 市町村合併に伴う移行及び閉鎖(9件) (a) 目前の市町村合併を控え新たなHPに移行することから、現時点においてHPを改善する必要性をあまり感じない。 (b) 平成17年の編入合併に伴い、現在のホームページは閉じるため、ホームページのリニューアル、レベルアップ等は考えていない。 その他同意見 他7件 (8) その他(4件) (a) 申請書のダウンロードについて、庁内の意見がまとまらず、採用できなかった。 (b) WEBパッケージアプリの制約による。 (c) 特に不満な声も聞こえてこないので、サイトについては変更の予定なし。 (d) ホームページが未開設のため。 ![]() 「人手及び作業時間の不足」という回答が多く、ウェブサイト担当者は兼務であり、主担当業務の合間にウェブサイトの作業を行っている様子がうかがえる。周囲の理解が十分でないことが背景にある。ウェブサイトの位置付けを組織全体で再度確認することが必要であろう。また、ウェブサイトにかかる作業量・スケジュールなどを明確に周囲に示すことも必要である。 「技術的知識の不足」と回答している市町村も多い。兼務である故にウェブ作成等の技術的知識が乏しく、ウェブアクセシビリティを実現することが困難であると考えているようだ。しかし、HTML等の技術的知識が無くとも、情報バリアフリーへの関心を持つことで、ウェブアクセシビリティの問題点に気づき、コンテンツを修正するが可能である。知識不足を理由にせず、まずはウェブアクセシビリティを確保する姿勢で作業に臨むことを期待する。また、県においてはこの現状をふまえ、「ウェブアクセシビリティ改善講習会」(※9)などを継続的に実施することを期待する。 市町村合併に伴い、ウェブサイトを移行する、あるいは閉鎖するという回答も多い。すなわち、合併により、ウェブサイトを新規作成あるいは大幅更新をする市町村が多いことを意味する。これはウェブアクセシビリティを向上させる最も良い機会となろう。担当者にはウェブサイト設計において十分ウェブアクセシビリティの確保に配慮していただきたい。 |
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